池淵さん
シンガポール在住
Dymon Asia Capitalパートナー
戸塚:池淵さんは、新卒でゴールドマン・サックスに入社して以来25年超のグローバル金融のキャリアを積み上げ、直近9年間はシンガボールを拠点とされています。今回ベリタスのプログラムを受講しようと決めた理由を教えていただけないでしょうか?
池淵さん:はい。理由は、大きく分けて、2つあります。
1つ目の理由は、これまでは、トレーディング業務がメインで、仕事上英語を使ってはいたものの、フォーマルな形で外部の人と英語でコミュニケーションをとる機会は、それ程ありませんでした。
マネジメント業務の比率が高まり、クライアントである海外投資家とのコミュニケーションの重要性が増してきています。そのため、マネジメントとして相応しいコミュニケーション力を強化する必要があり、インテンシブなプログラムを受講したいと考えていました。
2つ目の理由としては、子供の教育上のものです。子供が通う学校関係者と、親として適切なコミュニケーションをとる必要があり、改めて英語力のブラッシュアップが必要と考えました。
戸塚:これまでは、どのように英語力アップに取り組んできたのですか?
池淵さん:ベースとしては、大学受験に向けて、リーディング、グラマー中心に取り組んでいました。それにより、読解力と文法の基盤は、しっかりしているとは考えています。一方で、ライティングに体系的に取り組んだ経験はほとんどありませんでした。また、リスニング、スピーキングについても、限られた経験のまま大学に進学しました。
大学を卒業して、最初に就職した会社がゴールドマン・サックスの東京オフィスでした。本社がアメリカにある会社ですから英語が必要になり、リスニング、スピーキングは一定レベルアップしました。
しかし、主にOJTを通じた経験が中心だったため、体系的に英語を学ぶ機会は限られていました。
戸塚:受講を検討するにあたり、ベリタスのどこに興味を持ちましたか?
池淵さん:1つ目の点としては、ベリタスの学習量の多さです。
先程、私のこれまでの英語経験はOJTが中心とお伝えしましたが、英語スクールに行った経験はあります。大学時代に英語スクールに通い、社会人になってからは会社で英語研修を受けました。シンガポールに移ってからは、こちらの英会話スクールに通いました。
そこでの体験は、原則、授業の中で英語を話して終わりという状況でした。それだけですと、絶対的に学習量が足りないと思っていました。
ベリタスのホームページを見て、まず学習量の多さに興味を持ちました。
2つ目の点としては、以前、戸塚さんの英語学習に関する書籍を読んでいたため、その時の記憶が残っていました。書籍のなかで、ベリタスのアプローチとして、日本人のビジネスパーソン向けに、テーラメイドでプログラムを設計しているという記載があったので、自分の目的にフィットするのではと思いました。
実際に詳しく話を聞き、日本人の苦手なエリアを強化し、ノンネイティブスピーカーとして大切なポイントにフォーカスしている点に強い興味を持ちました。
シンガポールの英会話スクールでは、当然そのようなフォーカスはありませんので、オンライン型でベリタスのプログラムを受講することにしました。
戸塚:ベリタスでは、目指すべき英語像として、「自分の意見を、ロジカルに、堂々と、簡潔に伝える」と定義しています。ご自身の海外経験と照らし、ベリタスの英語像をどのように評価しましたか。
池淵さん:ベリタスの目指す英語像には、とても納得感がありました。実際に英語での実務に携わる中で、やはりネイティブスピーカーと同じような話し方をするというのは、現実的ではないと考えています。
ネイティブスピーカーのように話をすることをゴールとせず、伝えたいメッセージをシンプルに伝えることが大事、というベリタスのコンセプトに非常に共感しました。
私自身、英語コミュニケーションにおいて、難しい単語を使ったり、こなれた言い回しを使うということは必要ないと考えていますので、ベリタスのゴールは腑に落ちました。
戸塚:これまで一緒にお仕事をされてきた同僚たちのなかで、グローバルな環境下で活躍されている方々は、どのような英語コミュニケーションをしていますか?
池淵さん:やはり、グローバルに活躍している日本人ビジネスパーソンの英語コミュニケーションは、とてもメッセージがクリアだと考えます。メッセージをストレートに伝えることを意識している人が多いと考えます。
英語コミュニケーションが上手というのは、ネイティブスピーカーのように難しい単語を使うという意味ではなく、また複雑な言い回しをする、ということではないと考えています。
戸塚:ベリタスのプログラムを受講後の感想を聞かせてください。
池淵さん:第一に、ベリタスのプログラムを通じて、結論ファーストで話すというアプローチの徹底による大きな効果を感じました。これは、英語、日本語に関わらず非常に大切なことですし、これまでのキャリアの中で、その重要性を認識してきましたが、改めて、このコミュニケーションアプローチを徹底することで、かなり身についたという感覚があります。
英語でディスカッションやインタビューしている時に、相手から何を言いたいかが分かりにくいから、もっとストレートに最初から結論を言ってほしい、というようなコメントを言われたことが過去にもありました。
特に、英語でフォーマルなコミュニケーションをする上で、この点は、とても大事だという意識はありましたが、改めてその重要性に気づきました。
ベリタスでは、ディスカッションに加えて、5 Line writing(*1)というロジカルライティング課題がありますが、この課題で繰り返し練習することによって、かなり身についたと考えています
また、5 Line writing以外のプラクティスも、本当にいろんな学びがあったと思います。
ピラミッドストラクチャーに沿って、様々なテーマについてのロジカルライティングに取り組み、簡潔かつロジカルなコミュニケーション力を強化するプラクティス
戸塚:5-line writingは、ベリタスのプログラムの中でも、代表的なプラクティスですが、他には、ビジネス・リーダー・インタビュー・ディスカッション(*2)というプラクティスがあります。こちらのプラクティスはいかがでしたか?
ビジネスリーダーのインタビューを多面的に議論し、ディスカッション力向上に加えて、ビジネスリーダーにふさわしい英語表現およびコミュニケーションメッセージを学ぶプラクティス
池淵さん:そうですね。ビジネス・リーダー・インタビュー・ディスカッションは、第一に、純粋に知的に楽しいプラクティスでした。ディスカッションの題材とするグローバルビジネスを代表する経営者たちのインタビューは、どのリーダーも皆個性的で実績のある人なので、そういったリーダー達の考え方をベリタスのコーチとディスカッションをすることが純粋に楽しかったです。
個性的なビジネスリーダーの異なる考え方と話し方を学ぶことで、自分自身のロールモデルとするリーダー像が出来上がっていきました。本当に、様々なタイプのリーダーが世界中にはいて、英語コミュニケーションという意味で言えば、ネイティブスピーカーもいれば、ノンネイティブスピーカーのリーダーもいて、自分が真似できる部分と、そうでない部分があることを、改めて、いろんな角度から体感して、非常に大きな学びになりました。
戸塚:プログラムを通じて扱ったビジネスリーダーでいうと、具体的には、どのリーダーが印象的でしたか?
池淵さん:個人的には、グーグル元CEOのエリック・シュミットさんが印象的でした。インタビューの受け答えを聞くと、とてもシャープな人だということがわかりました。質問に対してストレートに回答していて説得力があると思いました。インタビュー当時の時代背景を考えてみると、かなり的確に将来を見通していて、すごいなと思いましたね。
それから、ノンネイティブスピーカーのリーダーとしては、カルロス・ゴーンさんのコミュニケーションも印象的でした。スキャンダル以前に収録されたインタビューでは、同氏のストレートなコミュニケーション力が際立っていました。また、日本を代表するリーダーとしては、ソフトバンクグループCEOの孫さんの受け答えは明快で、とても勉強になりました。
戸塚:ビジネスリーダーの教材という意味では、スピーチプラクティスからは、どのような学びがありましたか?
池淵さん:ビジネス・リーダー・スピーチ・プラクティス(*3)も、とても良かったですね。スピーチは、インタビューと異なり、しっかりと構成されているものですね。インタビューの場合は、アドリブでの受け答えがありますが、スピーチの場合は、前もって練られているものですね。
そのため、メッセージをどのように構成して、どういう風に伝えるか、という部分が非常に勉強になりました。
そして、スピーチ教材を、何度も声に出して読み上げ、内容を深くディスカッションしていくことで、自分の中に刷り込まれていきましたので、非常に勉強になりました。
ビジネスリーダーのスピーチを題材にプレゼンテーションおよびディスカッションに取り組み、プレゼンテーションおよびディスカッション力向上に加えて、ビジネスリーダーにふさわしい英語表現およびコミュニケーションメッセージを学ぶプラクティス
池淵さん:他に、シャドーイング(*4)のプラクティスも非常に勉強になりました。ベリタスのシャドーイングは、非常に実践的だと感じました。
ベリタスのコーチからは、何度も「アクティブ・マウス(口をアクティブに使って発音する)が大切だ」と言われました。指摘点を意識すると、発音は明瞭になり、より英語らしい音に改善していくプロセスを実感しました。
あと、コーチからは「エクスポーシブ・サウンド(=破裂音)が弱い」という具体的な指摘をもらいました。それまで自分であまり認識してなかった点でしたが、意識してみると、確かに発音がとても明瞭になりました。
発音について、より明瞭かつ正確なものに改善していくアプローチが、とても体系的で、非常に勉強になりました。
最新のニュース記事を題材に、ビジネスディスカッションおよびプレゼンテーション等のリアルな場を意識したベリタス独自のシャドーイング・プラクティス
戸塚:プログラム最終日に行ったプレゼンテーション・プラクティスでは、池淵さんの課題意識とキャリアゴールを共有してもらい、ベリタスのコーチチームは、大きな刺激をもらいました。プレゼンテーションを終えて、どのような感想を持ちましたか?
池淵さん:キャリア・ビジョン・プレゼンテーション(*5)は、多少緊張もしましたが、とても楽しかったです。
メッセージを準備する過程で、プログラムを通じて学んできたものを生かせたように思います。それまでの過程において、様々なビジネスリーダーのスピーチを深く学んでいたので、特に意識をしなくても、印象的なビジネスリーダー達のスピーチから得たポイントが、自然と活用できたように思います。
どのようにメッセージを構成したらよいのか、どのように伝えたらよいのか、という点において、自然と自分のスタイルに染みついていた部分があったように思います。
また、メッセージを書き上げていく過程も楽しめ、良い振り返りの機会になりました。ベリタスのコーチからは、複数回にわたりフィードバックをもらい、「なるほど」と思いながら、メッセージを練り上げていくことができました。
ベリタスのコーチは、当然ですが、金融分野の専門家ではないですので、業界の前提知識や経験のない聞き手に対して、何を伝えるのがよいのか、どのように表現したらよいのか、という部分を考えるきっかけになりました。
自分の所属する業界外の人に対して、自身の業界について説明をするという機会は、以外と少ないものです。普段は当然のように話をしている内容を、改めて整理し、かみ砕いて話をする良い経験になりました。また、聞き手によって面白いと思うところが違い、ベリタスの外国人コーチから指摘を受けると、「なるほど、そうだよね」と思う部分が多くあり、とても良い経験になりました。
ビジネスプロフェッショナルとして、個人的体験や課題意識に基づいた将来のキャリアビジョンを明文化し、プレゼンテーションに取り組むプラクティス
戸塚:ベリタスのプログラムを終えて、一番伸びた点はどのような部分ですか?
池淵さん:やはり、何よりスピーキング力が伸びたと思います。特にロジカルにスピーキングする力です。繰り返しになりますが、結論ファーストで伝える部分に大きな自信を得ました。結論に対して、必ず理由付けをするという点は、無意識とは言わないまでも、かなりできるようになったという感覚があります。
あとは、ベリタスでは繰り返し強調される点ですが、ノンネイティブとして「相手のペースで聞き自分のペースで話す」力に、改めて大きな自信がつきました。相手が早く話すからといって、自分も慌てて話すのではなく、自分のペースでしっかりと伝えたいことを伝える力です。これは、とても大切なスキルですが、ベリタスのプログラムを通じて自信を持ってできるようになりました。
戸塚:最後に、これからベリタスのプログラムを活用して、英語力のブラッシュアップをしたいと検討している方に、何かメッセージがあればお願いします。
池淵さん:はい。受講後の感想としては、ベリタスのプログラムは、とてもお勧めであることは、間違いないです。
個人的には、ノンネイティブスピーカーが、特に、日本人が英語を使って仕事をする上で、とても役に立つプログラムだと思います。
なかなかそういうスクールがないと思いますので、強くお勧めできるポイントです。
戸塚:長い時間にわたり、感想を聞かせていただき、ありがとうございました。