2023.03.10 Japanese coaches | ベリタス(VERITAS)

熱意を持って伝えよう!| スタッフブログ | ベリタス(VERITAS)

もうすぐ4月ですね。新しく仕事に就かれる方も多いと思います。そこで今回は人と異なる行動をとったことで道を開くことが出来たというお話です。

80年代初頭、アメリカの雑誌に日本のサラリーマン生活についての記事が載っていました。日本では長時間夜遅くまで働き、帰宅しても子供はもう寝てしまっている。子供が起きている姿を見るのは週末しかなく、普段父親を見ていない子供は、「あなた誰?」という顔で父親という人の顔を覗き込むのだと。留学中の私には衝撃的な内容で戸惑いを感じました。

日本の大学に戻り新年度が始まった頃、留学中にお世話になったホストファミリーから一通の手紙が届きました。同封されていた小さな新聞記事の見出しに、アメリカ企業10社の名前が載っていました。米フォーチュン誌が、働きがいにフォーカスしたランキング(The Best 100 Companies to Work for in America)を初めて発表。実際に働いている人を対象にしたアンケート調査に基づくものでした。

記事に載っていた会社について尋ねてみたかったので、私は100円玉をたくさん用意し大学にあった公衆電話からホストファミリーに電話をかけました。ランキングトップ10社のうちの1社はアメリカでもなかなか入社できない金融の会社だと知らされ、グッと興味がわきました。

アジアのどこかに支店があるに違いない。国際派就職辞典で調べてみると東京の霞が関ビルに支店があるではないですか。社員の方に話を伺いたいと思いその支店宛にダメ元で手紙を送りました。すると社員の方から電話があり、会っていただけるとのこと。

後日、営業担当の方に話を伺うことが出来ました。この方は日系企業に務めた後、米コロンビア大学MBAを修了し米国本社で採用された方でした。気さくな方で私の質問にストレートで簡潔に答えてくださいました。

また、管理部長の方にもお会いすることが出来ましたが、「今後日本でのビジネスに力を入れるのだけれど日本での新卒採用はやっていない」と。この会社のアニュアルレポートを頂き、霞が関ビルを後にしました。

この会社への就職は無理なのかと思っていたら、アメリカ人の支店長に会って欲しいとの電話がかかってきました。(えっ、新卒採用を始めるのかな?)

後日、この会社を再訪問。感じの良い日本人スタッフの方が出迎えてくださり、支店長室に通されました。支店長の方(男性)は、背が高くがっちりした方でした。(後でわかったのですが、この方は米国陸軍士官学校かつハーバード大学ビジネススクール出身で、米国本社取締役兼東京支店長でした。)

自己紹介を終えると、「何をやりたいか」と問われました。いきなり「何をやりたいか」と言われても、フルタイムの仕事をしたことがないので強いメッセージが出せません。「日米間のビジネスに関わりたい」と言うようなことを述べたと記憶しています。この返答は失格ですね。

私がハッキリと何がやりたいのか言えなかったためか、支店長はこう切り出しました。

支店長:Maybe you need more time to learn about our business. Do you have any questions? (我々がどんなビジネスをしているかもう少し学ぶ時間が必要かもね。何か質問はあるかね。)

ここで何も質問しなければ、次はないと直感。この会社のアニュアルレポートに書いてあったビジネスプリンシプルをパッと思い出し、かろうじて一つだけ質問をすることが出来ました。すると、支店長はこの会社が何を大切にしているのか、何故なのかを説明してくれました。それをきっかけに、何とか会話のキャッチボールができました。

そして、面接の最後に私はとっさに思いついたことを伝えました。

私: If you decide to give me an offer to work from next April、 I would like to start as a part-timer right away. If you find that I will not be good enough during my part-time work, please cancel the job offer. (もし、来年春採用の内定を出していただけるなら、直ぐにパートタイムで働き始めたい。そして、私の働きが十分でないと判断されたら、内定を取り消してください。)

支店長: That is fair. I will keep that in mind. We will contact you soon. By the way、do you have time today? I would like you to meet our investment bankers… (それはフェアーだね。よく覚えておくよ。近いうちに連絡する。ところで、今日は時間があるかい?うちのインベストメントバンカーと会って欲しいのだが。)

後日、翌年4月採用の内定の連絡をいただきました。大学の授業がない日にこの会社でパートタイムで働き始め、翌年3月までに3つの部門を経験することが出来ました。この年、新卒として合計5人が採用され、私はこの会社で16年間キャリアを積むことができました。

結果的にかなりユニークな就職活動になってしまったのですが、思いついて行動をしたことや、切羽詰まった状況でも英語で思い切って熱意を持って伝えることが出来たことが良い結果につながったのだと思います。常日頃から伝えたいことを熱意をもって伝えていますか?

ベリタスのクラスでは、熱意をもって語るビジネスリーダーのインタビュー記事も使いながら学んでいきます。

Veritas Coach

Mikiya Mori

Mikiya was born and raised in Gifu. He was fascinated to learn English when he was in junior high school. He practiced English words and sentences every day because he wanted to go to America. At college, he earned a study abroad opportunity in Seattle. His American experience really opened his eyes. As for career, he worked at Goldman Sachs and JP Morgan in the equities division for 18 years in Tokyo, London, and New York. In his 40s, he earned a Doctor of Education degree at University of Southern California to prepare himself for a career in education. Back in Tokyo, he managed an MBA program for mid-career managers as the program director for 12 years at Temple University Japan Campus. For many years, he wanted to help Japanese business professionals to be able to express themselves confidently in English and develop global mindset. Those qualities brought him many opportunities so now he wants to give back to society. Mikiya discovered Veritas whose mission matched with his passion. He believes in lifelong learning and hopes to contribute to students by sharing his experience. With the help of strong team, he is excited about the opportunity to inspire students to become global leaders of tomorrow.